「PRISMシンポジウム2019」に参加してきました。

3月4日、産業総合研究所主催の「PRISMシンポジウム2019」に佐々木先生と木津が参加してきました。

インタラクション技術とデジタルヒューマン技術の融合

~健康貯金の新たな地平を拓く~

「健康貯金」とは,加齢に伴い減少する身体能力を,健常なうちに蓄えておくことです.PRISM健康貯金プロジェクトでは,生活者が日常生活を送る中で,意識させることなく健康貯金ができるような情報基盤技術の実現を目標に,慶應義塾大学,産業技術総合研究所,東京医科歯科大学,東京都健康長寿医療センター,そして筑波大学の5機関が連携しながら研究を推進しています.このプロジェクトとして最初の開催となるPRISMシンポジウム2019では,様々な専門家の研究発表がありましたが、印象に残っているキーワードは、「フレイル」と「無意識」です。

フレイルとは、海外の老年医学の分野で使用されている「Frailty(フレイルティ)」に対する日本語訳です。「Frailty」を日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などになります。日本老年医学会は高齢者において起こりやすい「Frailty」に対し、正しく介入すれば戻るという意味があることを強調したかったため、多くの議論の末、「フレイル」と共通した日本語訳にすることを2014年5月に提唱しました。

 フレイルは、厚生労働省研究班の報告書では「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」1)とされており、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。多くの方は、フレイルを経て要介護状態へ進むと考えられていますが、高齢者においては特にフレイルが発症しやすいことがわかっています。

 高齢者が増えている現代社会において、「フレイル」に早く気付き、正しく介入(治療や予防)することが大切です。

そして「無意識化」です。このフレイル状態の人々は簡単にやる気が起きません。そこでやる気を無意識のうちに喚起させることがポイントなのです。今回のシンポジウムに参加して、自分たちが行っている姿勢の問題や高齢者の変形性膝関節症に関してもこの無意識化の状態を作らないと、予防に繋がらないことがよくわかりました。今後の研究や施術に生かしていけると思います。           Tadaaki Kizu

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